Made in Texas 2016 7 24

書名 アメリカの大問題 100年に一度の転換点に立つ大国
著者 高岡 望  PHP新書

 アメリカは、広大である。
しかし、テキサス州を見れば、アメリカがわかる。
 つまり、テキサス州は、アメリカの縮図である。
そして、アメリカの未来図でもある。
私も、著者の考えに賛成します。
 さて、著者によると、テキサス州のGDPは、
韓国、オーストラリア、スペインよりも大きく、
ヒスパニック系が38.6%、黒人が12.5%、アジア系が4.5%と、
合計で州の全人口の過半数を超えています。
 移民の子孫が多数を占める事例は、
移民大国のアメリカの歴史の中で、
決して珍しいことではありませんと書いてあります。
「400年前の不法移民」
 著者が、ある日、
ドイツ系アメリカ人の集まりに呼ばれて行ったら、
皆で「400年前の不法移民」というTシャツを着ていたそうです。
 400年前まで遡らなくても、
ドイツは、長い間、アメリカ全体で、
イギリス系と並んで移民の主要な供給源であったという。
 さて、今までの伝統では、
イギリス系とドイツ系が主流でしたが、
ヒスパニック系が主流になったとき、
アメリカは、どうなるか。
分断が進むのか、融和を求めるのか。
姿形を変えた内戦(南北戦争)が始まるのか。

共和国 2004 7 9
 かつて存在し、今も実質的に存在する共和国があります。
それが「テキサス共和国」です。
 おそらく、アメリカの東海岸に住む人たちにとっても、
西海岸に住む人たちにとっても、
「テキサス共和国」は、異質な存在だと思うかもしれません。
 ここでは、「テキサス共和国」の歴史の一部を見てみましょう。
おそらく、「テキサス共和国」の人たちは、怒るかもしれませんが、
ここでいう歴史とは、あえて、弱者から見た歴史です。
 そもそも、歴史というものは、いつも正しいとは限りません。
なぜならば、歴史とは、勝者が書くものであり、
敗者には、歴史を書く権利がありません。
しかし、ここでは、あえて、敗者から見た歴史を書きます。
 これは、ルイジアナが、やっと、アメリカの領土となった頃の話です。
その当時のアメリカ人は、メキシコとの国境を無視して、
多くの人が、次々と、テキサスに入植していったのです。
 歴史には、国が発展する時は、必ず、領土も発展するという法則があります。
ですから、テキサスに入植したことも、歴史法則から見れば、当然だったでしょう。
 しかし、メキシコから見れば、
アメリカ人が、勝手に入植してきたので、当然、怒るでしょう。
こうした入植者を排除しようと考えるわけです。
 これは、当然、メキシコとの戦争になりました。
多くの人は、有名な「アラモ砦の戦い」として記憶にあるでしょう。
 この戦争で、アメリカ人は、多くの犠牲者を出しながらも、
テキサスの独立と、アメリカへの合併を勝ち取りました。
 この当時は、「国が発展する時は、必ず、領土も発展する」という法則を、
「マニフェスト・ディスティニー」という思想が、理論的に説明していたのです。
 この思想は、アメリカの領土は、神から与えられたもので、
未開発の地域は、アメリカによって併合される運命であるという考え方です。
 しかし、このような思想は、アメリカの発展によって、解消されたはずです。
つまり、アメリカが、地域国家から国際国家になっていく過程で解消されたと思っています。
アメリカが、古い時代へと、先祖帰りをすることはないと思っています。



















































































トップページへ戻る